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「借地権」「底地」の相続税はどうなる?
評価額の計算とトラブル回避の注意点

相続財産に「借地権(土地を借りる権利)」や「底地(土地を貸す権利)」が含まれる場合、相続税の評価額計算が非常に複雑になります。通常の土地(自用地)とは全く異なる評価方法を用いるため、知識がないまま申告すると税金を払いすぎたり、逆に過少申告で追徴課税のリスクを負うことになりかねません。

本ページでは、横浜で借地権・底地を相続することになった方向けに、相続税評価額の基本的な計算方法小規模宅地等の特例の適用可否、そして地主とのトラブルを避けるための注意点について詳しく解説します。

借地権・底地とは?基本的な仕組み

まず、相続税の評価対象となる権利について整理します。

  • 借地権(しゃくちけん):建物を建てる目的で、地代を払って他人から土地を借りる権利のことです。相続財産としては「土地を借りる権利」そのものに価値があるとみなされます。
  • 底地(そこぢ):借地権が設定されている土地のことで、地主側が持つ所有権を指します。「貸宅地」とも呼ばれます。地主は地代を受け取れますが、自由にその土地を使うことはできません。

1つの土地に「借地権(借りる権利)」と「底地(貸す権利)」という2つの権利が存在し、相続税評価も別々に行うのが特徴です。

【種類別】借地権の相続税評価額の計算方法

借地権の評価方法は、その土地が面する道路に「路線価」が設定されているかどうかで変わります。

1. 路線価方式での計算(路線価が設定されている地域)

市街地などのほとんどの土地は、この方式で計算します。

  • 計算式:自用地としての評価額 × 借地権割合

自用地としての評価額は「路線価 × 土地の面積(㎡)」で求めます。借地権割合は、国税庁の「財産評価基準書(路線価図)」で調べることができ、A(90%)~G(30%)までの記号で示されています。

2. 倍率方式での計算(路線価が設定されていない地域)

郊外や農村部などで路線価がない土地は、この方式を使います。

  • 計算式:固定資産税評価額 × 評価倍率 × 借地権割合

固定資産税評価額は、毎年送られてくる納税通知書で確認できます。評価倍率借地権割合は、国税庁の「財産評価基準書(評価倍率表)」で確認します。

底地(貸宅地)の相続税評価額の計算方法

地主側(底地)の評価額は、その土地の完全な所有権(自用地)の評価額から、借地人が持つ借地権の評価額を差し引いて計算します。

  • 計算式:自用地としての評価額 - 借地権の評価額

例えば、自用地評価額が5,000万円、借地権割合が60%(借地権の評価額が3,000万円)の土地の場合、底地の評価額は 5,000万円 - 3,000万円 = 2,000万円 となります。

借地権・底地の相続で使える「小規模宅地等の特例」

相続税の負担を大幅に軽減できる「小規模宅地等の特例」は、借地権や底地であっても、要件を満たせば適用できる可能性があります。

借地権(借りていた土地)の場合

被相続人が住んでいた家の敷地が借地だった場合、その借地権を相続した親族が要件を満たせば「特定居住用宅地等」として、330㎡を上限に評価額を80%減額できる可能性があります。

底地(貸していた土地)の場合

被相続人が地代を受け取って土地を貸していた(不動産貸付事業)場合、その底地を相続した親族が事業を引き継ぐなどの要件を満たせば「貸付事業用宅地等」として、200㎡を上限に評価額を50%減額できる可能性があります。

ただし、これらの特例の適用要件は非常に複雑です。特に横浜のような地価の高いエリアでは、適用できるかどうかで納税額が数千万円変わるケースもあるため、必ず相続税専門の税理士に判定を依頼してください。

借地権・底地を相続する際の注意点(地主との関係)

借地権・底地の相続は、税金だけでなく地主との実務的な手続きやトラブルにも注意が必要です。

  • 地主への「名義書換料(承諾料)」は必要?
    売買や贈与とは異なり、「相続」による名義変更の場合、地主の承諾や名義書換料は法的には不要です。ただし、地主へ相続が発生した旨を速やかに通知し、良好な関係を築くことが重要です。
  • 地代や更新料の支払い義務
    借地契約に関する地代の支払いや、将来の契約更新料の支払い義務は、すべて相続人がそのまま引き継ぎます
  • 相続放棄も選択肢に
    地主との関係が極端に悪い、管理が困難な遠隔地にある、地代が高額すぎるなどの理由で借地権や底地が「負の財産」となる場合、相続開始から3ヶ月以内に「相続放棄」をすることも重要な選択肢です。

借地権・底地の相続で税理士に依頼するメリット

借地権・底地の相続は、税理士の中でも特に経験が求められる分野です。専門家に依頼することで、以下のようなメリットがあります。

  • 複雑な評価額を正確に計算でき、過大な納税や過少申告のリスクを避けられる。
  • 適用が難しい「小規模宅地等の特例」の適用可否を正確に判断し、最大限の節税を期待できる。
  • 地主との交渉や、他の相続人との遺産分割協議についても法的なアドバイスがもらえる。

横浜エリアの不動産に強い税理士選びのポイント

横浜は古くからの借地権が残るエリアや、地価が非常に高いエリアが混在しています。そのため、横浜市内の不動産事情や路線価に精通した税理士を選ぶことが重要です。

  • 相続税申告の中でも、借地権・底地の取り扱い実績が豊富か。
  • 不動産評価の知識が深いか(例:宅地建物取引士の資格保有など)。
  • 横浜市内の地価動向や、税務署の傾向を把握しているか。

これらのポイントを確認し、まずは無料相談などを利用して信頼できる専門家を見つけることから始めましょう。

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