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教育資金贈与の終了と今後の代替策

「孫の学費を援助したいけれど、教育資金の一括贈与手続きは終わってしまった?」
「これから孫に資金援助をする場合、税金がかからない良い方法はある?」

まとまった教育資金を無税で次世代へ移せる手段として広く活用されていた「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置(最大1,500万円の特例)」。非常に人気の高い制度でしたが、現在は新規の受付が終了しています。そのため、これから応援を考えているご家庭では、別の手段を検討しなければなりません。

本記事では、一括贈与特例が終了した現在の状況を整理し、今後の有力な代替手段となる「都度贈与」の基本ルールと、税務調査で指摘されやすい実務上の落とし穴について分かりやすく解説します。

※本記事は2026年7月調査時点の税制・情報に基づいています。

教育資金の一括贈与特例(最大1,500万円)の現状と仕組み

祖父母などから教育資金をまとめてもらう際の非課税特例ですが、現在は運用フェーズが変わっています。すでに利用している方と、これから検討する方で状況が異なります。

新規の口座開設や一括拠出の受付は終了

多くの資産家層に活用されていたこの特例ですが、法改正による延長が行われなかったため、2026年3月31日をもって新規の口座開設や資金の拠出受付は完全に終了となりました。そのため、これ以降に新しくまとまった資金を非課税口座に入れることはできません。

開設済みの既存口座は引き続き非課税(最長40歳までの延長特例も)

すでに2026年3月末までに信託銀行等で専用口座を開設し、お金を払い込み済みの場合は、制度の新規受付が終了した後も引き続き引き出し時の非課税措置が適用されます。
非課税期間は原則として孫が「30歳に達するまで」ですが、30歳に達した時点で大学や専門学校などの「学校等」に在学している場合などは、手続きを行うことで最長40歳に達する日まで非課税期間を延長できる例外規定があります。現在利用中の方は、現在の口座状況と今後の進学スケジュールを改めて確認してみましょう。

要注意!使い切れない残額には贈与税が課される場合も

既存口座を利用しているご家庭で最も注意したいのが「出口のルール」です。孫が30歳(延長時は最長40歳)になった時点で、使い切れずに口座に残ってしまった資金がある場合、その残額に対して贈与税(一般税率)が課される仕組みになっています。
ただし、使い残した金額が、その年の贈与税の基礎控除額(110万円)以下であれば、原則として贈与税はかかりません。残額が大きくなりそうな場合は、計画的な出金・利用を心がける必要があります。

今後の有力な代替手段となる「都度贈与」の基本

一括贈与の特例に頼れなくなった今、これから横浜で孫の学費や入学金をサポートしたい場合、最も現実的な選択肢となるのが「都度贈与(つどぞうよ)」です。

原則として必要な都度、直接支払う学費は上限なしで非課税

日本の税法では、扶養義務者(祖父母や父母)が、子や孫に対して「通常必要と認められる教育費や生活費」を、必要な都度、直接支払う場合は、贈与税がかからないと明確に定められています。これには金額の上限がありません。つまり、入学金や授業料、教科書代などを、その支払うタイミングで祖父母が直接負担するのであれば、1,500万円の特例を使わずとも、原則として税金は発生しないのです。

暦年課税(年110万円)や相続時精算課税制度との違い

都度贈与は「その時々に支払って使い切るお金」が対象であるため、将来のための「貯蓄(積立)」には使えません。
もし今すぐ使う学費ではなく、将来のためにコツコツお金を貯めさせたい場合は、年間110万円の枠内で贈与する「暦年課税」のほか、近年の法改正によって「年110万円の基礎控除枠(将来の相続時に持ち戻されない枠)」が新設された「相続時精算課税制度」を組み合わせて活用する選択肢もあります。目的が「今すぐ使う学費」なのか「将来のための貯蓄」なのかによって、これらを上手に使い分ける必要があります。

代替策「都度贈与」で注意したい3つの落とし穴

一見すると手軽で便利な都度贈与ですが、実務上、自己流のやり方で進めると税務調査で「これは非課税の都度贈与とは認められない」と否認されるリスクがあります。

落とし穴①:将来の学費の「まとめ渡し」は課税対象になるリスク

都度贈与の絶対条件は、あくまで「必要な都度」です。例えば、「どうせかかるものだから」と、大学4年分の授業料(数百万円)を1年目の段階で孫の口座に一括で振り込んでしまうと、その時点で使い切っていない資金は単なる「現金の贈与」とみなされ、贈与税の課税対象になります。銀行の口座履歴は数年分にわたり記録が残るため、後からの言い訳は通用しません。

落とし穴②:祖父母が通帳を管理し続ける「名義預金」の判定

孫のために良かれと思って、祖父母が勝手に孫名義の銀行口座を作り、そこにお金を貯めてそこから学費を払っているようなケースも危険です。口座の名義が孫であっても、通帳や印鑑を祖父母が管理し、孫本人がその口座の存在すら知らない場合、税務署からは「実質的な祖父母の財産(名義預金)」と判定される可能性が高くなります。この場合、生前贈与としては認められず、将来相続が発生した際に多額の相続税が課される原因になります。

落とし穴③:支払いの事実を証明する「領収書」や振込履歴の不足

税務調査の際、「本当に教育費としてその都度使ったか」を客観的に証明できなければ、非課税の主張は認められません。例えば、祖父母が親(子供)の口座に一旦お金を振り込み、そこから学費を払った場合、生活費や他の資金と混同されてしまい、教育費としての動線が曖昧になるリスクがあります。

(総括)親と子が押さえるべき実務的チェック

教育資金の援助は、一括贈与特例の終了に伴い、より丁寧な口座管理と証拠の残し方が求められる時代になっています。

親(あげる側:祖父母など)へのアドバイス

孫への都度贈与を安全に進めるためには、現金の「手渡し」や「まとめ振り込み」は避け、資金移動の動線をガラス張りにすることが重要です。最も確実な方法は、祖父母の口座から、学校や塾が指定する振込先口座へ「直接」授業料を振り込むことです。これにより、教育費として支払った事実が銀行のシステム上に明確な履歴として残ります。
こうした税務署に否認されないための資金移動のルート設計や口座の運用ルールについては、自己判断で行わず、税務だけでなく金融機関の資金移動の仕組みや口座管理の実務に精通した税理士にあらかじめ相談し、法的に安全な仕組みを作っておくことが賢明です。

子(もらう側:親・孫)へのアドバイス

すでに信託銀行等に一括贈与の口座を持っている場合は、契約終了時の思わぬ課税を避けるため、現在の残額と今後の教育費の支払い計画を早急に見直しましょう。在学中であれば延長手続きの届出を忘れないことが大切です。また、これから都度贈与を受ける場合も、学校の納付書や塾の領収書、振込明細書をセットで大切に保管し、「証拠」をいつでも提示できるように親子で連携しましょう。
特例終了後の複雑な資金計画や、名義預金と疑われないための対策には、高度な実務経験必要不可欠です。担当者が変わる分業制の事務所ではなく、初回相談から申告手続きまで、経験豊富な代表税理士が直接一貫して伴走してくれる事務所を選び、トラブルを未然に防ぎましょう。

教育資金の贈与は、制度の変更や税務調査のリスクが背景にあるため、正しい知識を持った対応が必要です。手遅れになる前に、横浜エリアで金融実務と税務対策に強みを持つ専門家へ相談し、万全の体制で大切な子や孫の未来を応援しましょう。

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