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「実家の土地を生きているうちに子どもへ渡しておきたいが、贈与だと余計な費用がかかると聞いた」「地価が上がっていると聞くけれど、今贈与すべきかどうか判断がつかない」――横浜エリアで不動産を持つご家庭から、こうした相談が増えています。
不動産の生前贈与は、現金の贈与とは異なり、贈与税以外にも登録免許税・不動産取得税といった費用がかかり、相続で引き継ぐ場合と比べて負担が重くなりやすいという特徴があります。本記事では、横浜で不動産を生前贈与する際に実際いくらかかるのか、相続との費用差、そして2026年の地価動向を踏まえて「今」贈与すべきかを考える視点を解説します。
※本記事は2026年9月調査時点の税制・情報に基づいています。
不動産を生前贈与する場合、主に次の3種類の費用がかかります。①贈与税、②登録免許税(名義変更の登記費用)、③不動産取得税です。これに加えて、司法書士へ登記手続きを依頼する場合は報酬も発生します。
贈与税は、不動産の評価額(相続税評価額)から基礎控除額を差し引いた金額に、税率を掛けて計算します。土地・建物の評価額は数百万円から数千万円までご家庭によって幅が大きく、税率も評価額に応じて段階的に上がる仕組みのため、「うちの場合いくらになるか」は個別に計算しないと分からないためしっかり確認する必要があります。
参照:国税庁タックスアンサー No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm)
不動産の名義を変更する際は、法務局への登記が必要で、その際に登録免許税がかかります。税率は取得の原因によって異なり、相続による移転登記は固定資産税評価額の0.4%(1,000分の4)であるのに対し、贈与による移転登記は2.0%(1,000分の20)と、相続の5倍の税率が適用されます。
参照:国税庁タックスアンサー No.7191 登録免許税の税額表(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm)
不動産取得税は、相続によって不動産を取得した場合は非課税ですが、生前贈与で取得した場合は原則として課税対象になります。神奈川県の税率は、住宅・土地が3%、住宅以外の家屋が4%です(土地については、課税標準額を価格の2分の1とする負担調整措置があります)。
参照:神奈川県ホームページ 不動産取得税(https://www.pref.kanagawa.jp/zei/kenzei/a001/b011/010.html)
名義変更の登記手続きは司法書士に依頼するのが一般的で、報酬の相場は事務所や不動産の内容によって幅があります。正確な金額は依頼先に個別に見積もりを取ることをおすすめします。
登録免許税・不動産取得税だけを見ても、贈与は相続よりも費用がかかる仕組みになっています。仮に、土地の固定資産税評価額が3,000万円だった場合で試算すると、次のような差が出ます。
| 費用項目 | 相続の場合 | 生前贈与の場合 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 3,000万円×0.4%=12万円 | 3,000万円×2.0%=60万円 |
| 不動産取得税 | 非課税(0円) | 1,500万円(負担調整後)×3%=45万円 |
| 合計(贈与税は別途) | 12万円 | 105万円 |
この試算だけでも93万円の差が出ます。ここに贈与税や司法書士報酬が加わるため、評価額が大きい不動産ほど、贈与にかかる総費用は相続より重くなりやすい、という傾向を押さえておく必要があります。あくまで土地単体・一定の前提を置いた目安であり、実際の金額は不動産の内容や評価額、適用できる特例の有無によって変わりますので、個別のシミュレーションは税理士に確認することをおすすめします。
費用面だけを見ると相続の方が有利に見えますが、判断はそれだけでは終わりません。ポイントになるのが地価の動きです。国税庁が公表した令和8年分の路線価では、横浜市の最高路線価(西区南幸1丁目・横浜駅西口バスターミナル前通り)が1平方メートルあたり17,600千円となり、令和7年分の17,200千円から2.3%上昇しました。
参照:国税庁「令和8年分の路線価等について」(https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2026/rosenka/01.pdf)
横浜市内の地価動向や路線価の基礎知識については、「横浜の地価は相続税にどう影響する?」で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
地価が上昇している局面では、評価額が今後さらに上がる前に贈与しておくという考え方が成り立ちます。将来値上がりが見込まれる土地や、賃料収入を生む収益不動産は、評価額が低いうちに移転しておくことで、結果的に将来の相続税・贈与税の負担を抑えられる可能性があるためです。
あわせて押さえておきたいのが、不動産の評価方法そのものを見直す制度改正の動きです。令和8年度税制改正大綱では、貸付用不動産の評価方法を見直す方針が決定しています。具体的な評価の算定方法や適用時期は今後の法令・通達で確定していく段階のため、現時点で断定的な数値をお伝えすることはできませんが、収益不動産を保有している方は、今後の制度動向を踏まえた検討が必要になる可能性があります。
参照:自由民主党「令和8年度税制改正大綱」(https://storage2.jimin.jp/pdf/news/policy/212129_1.pdf)
不動産の生前贈与を検討する際は、暦年課税だけでなく「相続時精算課税」も選択肢に入ります。相続時精算課税を選ぶと、贈与した時点の評価額で相続時の精算が行われるという特徴があるため、地価上昇が続く局面では、評価額が低いうちに贈与しておくメリットが大きくなりやすい制度です。ただし一度選択すると暦年課税には戻せないなど、制度上のルールもあるため、事前の比較検討が欠かせません。制度の詳しい改正内容・メリットデメリットは「相続時精算課税制度とは?改正内容・メリット・デメリットを紹介」で解説しています。
一方、暦年課税で不動産を贈与する場合は、生前贈与加算(7年ルール)の対象になる点にも注意が必要です。贈与から一定期間内に相続が発生すると、贈与した不動産の評価額が相続財産に加算されてしまうため、「早めに贈与したつもりが、結局相続財産に戻ってしまった」ということも起こり得ます。経過措置の詳しい内容は「生前贈与の『7年ルール』とは?」をご確認ください。
なお、住宅取得のための資金援助であれば、非課税枠が用意された「住宅取得資金の贈与」の特例を使える場合もあります。不動産そのものではなく資金の贈与で検討したい方は「横浜の住宅取得資金贈与特例の要件と注意点」もあわせてご覧ください。
不動産の生前贈与は、費用面・地価動向・制度上のルールが絡み合う判断です。「贈与すれば安心」ではなく、ご家庭の資産状況と照らし合わせて、親と子それぞれの立場でチェックしておきたいポイントを整理します。
費用と制度の両面から、早めにシミュレーションしておくことが有効な備えになります。
親としっかり話し合いながら、費用と制度の両方を確認しておきましょう。
不動産の生前贈与は、費用・地価動向・税制の3つが絡み合う分、判断が難しくなりがちです。横浜の相続税に詳しい税理士事務所へ相談しながら、ご家庭に合った選択を進めてみてはいかがでしょうか。
| 参考費用 (※1) |
22万円 |
| 無料 相談 |
何度でも 可能 |
| 休日面談 対応 |
〇 |
| 夜間面談 対応 |
21時まで 対応可 |
※宅地建物取引士の資格を保有する税理士が在籍しており、かつ書面添付制度に対応している事務所の中から、無料相談にも応じてくれる事務所から選定。
※1:※資産5000万円以下の費用